インターネット層
インターネット層は 複数のネットワーク間のデータ転送を行う役割 を持っています。
ネットワークは1つのネットワークにあらゆる機器が接続されているわけではなく、たくさんのネットワークが存在し、そこに色々な機器を接続していることで実現しています。多数のネットワーク同士を接続してデータ転送を行っているのは「ルータ」です。ルータによるネットワーク間のデータ転送を指して「ルーティング」と呼びます。
また、ネットワーク間のデータ転送を指して「エンドツーエンド通信」と呼びます。具体的なプロトコルは「IP」「ICMP」「ARP」などで主に「IP」を用い、ICMPはエラーレポートや診断機能で、ARPはIPアドレスからMACアドレスを求める為などの補佐的なプロトコルです。
IP (Internet Protocol)
インターネットプロトコル(IP)は、データパケットがネットワークを経由して正しい宛先に到達できるように、データパケットをルーティングおよびアドレス指定するためのプロトコル、つまりルールセットです。インターネットを通過するデータは、パケットと呼ばれる小さな断片に分割されます。
パケットが宛先に到着すると、IPと組み合わせて使用されるトランスポートプロトコルに応じて、パケットの処理が異なります。最も一般的なトランスポートプロトコルはTCPとUDPです。
IPv4
「IPv4」とは「Internet Protocol Version 4」の略称で「Version 4」は第4版を表しています。1990年代後半のインターネット普及期に考案されたもので、現在も広く使われているインターネットの通信規格です。
IPv4の特徴
IPv4におけるIPアドレスは「xxx.xxx.xxx.xxx」のように、ピリオドで区切られた4つの数字で表されます。使うことができるのは「0.0.0.0」から「255.255.255.255」までで、約43億個のIPアドレスが発行できるようになっています。
43億個というIPアドレスは、初期のインターネットでは十分な数でした。しかし、インターネットが普及するにつれて、使えるIPアドレスの数はどんどん減り始め、2010年代後半には枯渇する事態になっています。
アドレス不足を解消するために、「DHCP」と呼ばれる、使用していないIPアドレスを自動で割り当てる仕組みも用いられていますが、IPの仕組み自体を抜本的に変える必要に迫られているのです。
PPPoEに対応している
「PPPoE」は、IPv4で使われているインターネット上の通信規格です。
また、Version 4の後継である「IPv6」に対応している次世代の通信規格は「IPoE」と呼ばれています。
IPv6
IPv6の特徴
IPアドレスは、現在広く利用されているIPv4(IPバージョン4)で32ビット幅、IPv6では128ビット幅となっています。
IPv6の128ビットというアドレス幅は、今後のインターネットの発展による接続機器の増大にも十分に耐えられるよう考慮され、決定されました。
世の中のサービスとIPv4
実は世の中のサービスはIPv4のネットワークで提供されています。
何故か?
ユーザのほとんどが以下の属性
- IPv4のみに接続可能な人( PPPoE )
- IPv4、IPv6双方に接続可能な人( IPoE + IPv4 over IPv6オフロード )
企業側からするとIPv4でサービス提供すれば、ほぼすべてのユーザにサービス提供可能
また、IPv6はIPv4と互換性がない(上位互換ではない)ので、企業側の管理コストが単純に倍になってしまう
IPv6で提供しているのは動画サービスなど高トラフィックを発生させるコンテンツプロバイダー
IPv4 over IPv6
「IPv4 over IPv6」とは?
「IPv4 over IPv6」は、通常IPv6のみに対応する IPoE通信のままで、IPv4・IPv6の両方に対応できる技術 です。
具体的には、IPv4形式のデータをIPv6形式でカプセリング化し、IPoE方式で通信するという技術です。この方式は2つの接続方式を切り替えるというやり方から「デュアルスタック」とも呼ばれ、現在多くの光回線で適用されています。
インターネットの世界には、現在IPv4対応のウェブサービス、IPv6対応のwebサービスの両方が存在するため、IPv6にしか対応できないと大半のウェブサービスは利用できないことになってしまいます。 「IPv4 over IPv6」を使うことで、IPoE接続のまま、IPv4・IPv6どちらの規格で作られたウェブサービスも訪問できます 。
「v6プラス」とは?
「v6プラス」は、商品名です 。中身はIPv4 over IPv6と同じですが、「v6プラス」および「v6plus」は日本ネットワークイネイブラーという会社が商標登録しているため、この会社が提供しているもの以外は「v6プラス」と名乗ることができません。
もしプロバイダが「v6プラス」という言い方をしている場合、 「IPv4 over IPv6のサービス、その中でも特に日本ネットワークイネイブラー(JPIX)が提供するもの」 ということになります。