【セキュリティ 2026 #2】セキュリティ基礎

🎯
この講義のゴール
  • セキュリティを「難しい専門用語」ではなく、日常の安全対策と同じ考え方として理解する
  • 情報セキュリティで守るべきものと、リスクが生まれる仕組みを説明できる
  • セキュリティ対策には利便性・コストとのバランスがあることを理解する
  • ニフティで扱う情報レベルを意識し、日々の業務で事故を起こさない行動につなげる

セキュリティとは

AIに聞いてみました。

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セキュリティとは、大切なものを守り、安全な状態を保つことです。

エンジニアリングに限った話ではありません。

  • 家に鍵をかける
  • 暗い夜道を避ける
  • 財布やスマートフォンを置きっぱなしにしない

これらもすべて「大切なものを守るための行動」です。

この講義では、その中でも 情報を守るためのセキュリティ、つまり 情報セキュリティ を扱います。

💡
まず押さえること

セキュリティは「攻撃者だけを意識するもの」ではありません。ミス・故障・災害など、悪意がない出来事から情報を守ることもセキュリティです。

情報セキュリティとは

情報セキュリティとは、情報の 機密性・完全性・可用性 を守ることです。

この3つは、それぞれの英単語の頭文字を取って CIA と呼ばれます。

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観点 意味 身近な例
機密性
Confidentiality
許可された人だけが情報を利用できる状態 アクセス権限を設定する
パスワードを他人に教えない
完全性
Integrity
情報が改ざん・破壊されず、正しい状態で保たれていること 更新履歴を残す
承認フローを設ける
アクセス履歴を確認する
可用性
Availability
必要なときに情報やシステムを利用できる状態 バックアップを取る
冗長構成にする
障害時の復旧手順を準備する

情報セキュリティでは、CIAに加えて次の観点も重要です。

  • 真正性
    アクセスしている人・システムが本当に正しい相手であること
    例)ID・パスワード、多要素認証
  • 説明可能性
    誰が、いつ、何をしたのかを後から追跡できること
    例)ログ、操作履歴
  • 否認防止性
    後から「自分はその操作をしていない」と否認できないこと
    例)ログ、デジタル署名
  • 信頼性
    データやシステムが、意図したとおりに正しく動作すること
    例)テスト、レビュー、手順書
新人向けポイント

まずはCIAの3つを覚えましょう。特に「見られないこと」だけでなく、「正しいこと」「使えること」もセキュリティに含まれる点が重要です。

リスクとは

情報セキュリティにおけるリスクとは、情報資産・脆弱性・脅威が重なったときに生まれる不確実性です。

例えば、次のような状況を考えてみます。

  • 情報資産:顧客情報
  • 脆弱性:脆弱性のあるサーバに保存されている
  • 脅威:攻撃者がインターネット経由で狙っている

この3つが重なると、情報漏えいなどの事故につながる可能性が高くなります。

ただし、3つが重なったからといって必ず事故が起こるわけではありません。リスクとは、安全な状態が不確実になることです。

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情報資産

企業や組織が持つ、価値のある情報のことです。

  • 製品情報
  • 顧客情報
  • 社内ノウハウ
  • 契約情報
  • システム構成情報

組織によって、何が重要な情報なのかは異なります。

そのため、まずは 何を守るのか を明確にする必要があります。

脆弱性

脆弱性とは、安全を脅かす欠陥や、付け込まれると被害につながる弱点のことです。

  • ソフトウェアやハードウェアの欠陥・バグ
  • 設定ミス
  • 古いバージョンのソフトウェア
  • ルールを守らない運用
  • ルールそのものの不備

脆弱性を完全になくすことは現実的には困難です。

重要なのは、脆弱性を正しく把握し、影響が大きいものから優先して減らしていくことです。

脅威

脅威とは、情報資産に損害を与える可能性があるものです。

脅威には、悪意があるものと悪意がないものの両方があります。

分類 内容
物理的脅威 機器や設備に直接被害を与えるもの ハードウェア破壊
電源喪失
人的脅威 人の行動によって発生するもの。悪意がある場合と、ミスによる場合がある マルウェア利用
ソーシャルエンジニアリング
誤操作
紛失
技術的脅威 技術的な不具合や攻撃手法によって発生するもの プログラムのバグ
脆弱性を悪用した攻撃
災害による脅威 自然災害や事故によって発生するもの 地震
水害
落雷
火災

脅威は、脆弱性を狙って情報資産に被害を与えます。

例えば泥棒は、鍵のかかった玄関を正面から破るよりも、割りやすい窓や無施錠の入口を狙います。

情報セキュリティでも同じように、弱いところが狙われます。

🧭
リスクを考えるときの問い
  • 何を守るのか:情報資産
  • 何が弱点なのか:脆弱性
  • 何から守るのか:脅威
  • どうやって守るのか:対策

情報セキュリティ対策

対策の基本方針

リスクは「情報資産・脆弱性・脅威」が重なるところに生まれます。

このうち、情報資産をなくすことは基本的にできません。業務に必要な情報だからです。

一方で、脅威は減らせるものと減らしにくいものがあります。

特に、悪意を持った攻撃者そのものをなくすことはできません。脆弱性があれば、攻撃を受ける可能性があります。

そのため、多くの対策では 脆弱性を減らすこと が重要になります。

  • セキュリティパッチを適用する
  • 不要な権限を付けない
  • 使っていないアカウントを停止する
  • ルールや手順を整備する
  • ログを取得し、異常に気づけるようにする

悪意のない人的脅威、つまりミスや勘違いは、ルール・仕組み・教育によって減らせる場合があります。

損失と対策の必要性

情報セキュリティ対策をしないと、リスクが表面化し、情報漏えいなどのセキュリティ事故につながります。

このような事故を セキュリティインシデント と呼びます。

セキュリティインシデントは、さまざまな損失を生みます。

  • 金銭的な損失
  • 顧客や取引先からの信頼低下
  • ブランドイメージの低下
  • 業務停止
  • 復旧対応にかかる時間と人員
  • 法令・契約上の問題

そのため、情報セキュリティ対策は「できればやるもの」ではなく、事業を継続するために必要な取り組みです。

セキュリティ事故による損失の例

講義時には、最新の社内外の事例を使って「どの情報資産・脆弱性・脅威が重なったのか」を確認します。

対策はトレードオフの関係になる

セキュリティ対策は、強ければ強いほどよいとは限りません。

多くの場合、セキュリティ・利便性・コスト はトレードオフの関係になります。

利便性とのトレードオフ

例えば、次のようなルールを作ったらどうなるでしょうか。

  • パスワードは30文字以上
  • 記号を必ず含める
  • 毎週変更する

セキュリティだけを見ると強そうに見えます。

しかし、利用者にとって負担が大きすぎると、次のような別のリスクが生まれます。

  • パスワードをメモに書いてしまう
  • 似たパスワードを使い回してしまう
  • ルールを守らなくなる

過度な対策は、かえってリスクを増やす場合があります。

コストとのトレードオフ

例えば、利用者が5名で月100円のサービスについて、稼働率を90%から99.5%に上げるために1000万円をかけるとします。

技術的には意味があっても、費用対効果が合わない可能性があります。

セキュリティ対策では、守る情報の重要度・発生可能性・影響度・コストを踏まえて、現実的な落としどころを考える必要があります。

リスク対策の手法

すべてのリスクに対して、同じ強さの対策を取るべきではありません。

リスクごとに、発生可能性・影響度・対策コストが異なるためです。

リスク対策には、主に4つの選択肢があります。

手法 意味 使われやすい場面
リスク軽減 発生確率を下げる、または発生時の影響を小さくする 多くのリスクで使われる基本的な対策 冗長構成
耐震工事
BCP準備
パッチ適用
リスク回避 リスクを生じさせる原因そのものを取り除く 発生可能性・影響度がどちらも大きい場合 リスクの大きい新規事業を中止する
危険な機能を提供しない
リスク転嫁 リスクの影響を組織の外へ移す 発生可能性は低いが、影響度が大きい場合 保険に加入する
オンプレミスからクラウドサービスへ移行する
リスク受容 追加対策をせず、その状態を受け入れる 発生可能性・影響度がどちらも小さい場合、または対策コストが見合わない場合 影響が小さいリスクを監視対象にとどめる
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まとめ

セキュリティ対策は「全部を完璧に守る」ことではありません。何を守るのか、何から守るのか、どこまで対策するのかを判断し、業務として継続できる形にすることが重要です。